ピアノが上達するための3つの義務…その3(1)

さて3つ目の義務…それは習わせる側の義務 です。
意外と見過ごされていますが、ここに根本的な問題が潜んでいる事も多く見受けられるのです。

習わせる側…つまり親御さんの背負う義務は、習う本人以上に大きなウェートを占めています。何故ならば習う本人の義務を果たすための道しるべ、習慣づけを実際行うのは我々教師よりも毎日接する親御さんの方なのですから。

それでは具体的にはどういう事なのか1つずつ書いていきます。

※お金さえ払っていればよいわけではない

お金…つまり月謝さえ払っていれば、習わせてさえいればピアノが上達すると思っている方がものすごく多いです。でもこれは間違い。自宅での学習が最も上達を左右するのです。
子供は基本的に1人で練習するのは嫌いです。特に小さければ小さいほど。隣にお母様が座っている事で安心するのですね。
また子供は根本的に練習が嫌いです。それを練習をしなければ上手くならないという事をいかに子供に教えるかという事も親の仕事になります。

しかし最近の親御さんは上記の2つをしない方が増えています。ただ通わせていれば簡単に弾けるようになると、自分は分らないのだから家では何も出来ないとすぐに言い訳をします。
ならば何故ご自分も一緒に勉強をしようとしないでしょうか?

私は常々お母様方に「お子さんと一緒に勉強をするつもりで通って下さい」と申し上げています。テクニックなど難しい事は仕方ないのです。しかし楽譜を読む…音を読んだりリズムを読んだりする事は、レッスンを見学していれば分る事です。

初期教育においてまず重要な事は楽譜を読む事です。ですから家できちんと順番を踏んで楽譜を読んでいるかどうかを、子供の隣に座って確かめる必要があるのです。
ここできちんと読めるようになればまず第1段階突破となりますが、躓いたままでいれば子供はどんどん弾けなくなり辞めると言い出すに時間はさほどかからないでしょう。

また少し曲が進んだ段階では、今度は間違いを繰り返さないような練習を習得しなければなりません。でもこれはかなり面倒な事。子供1人で根気よく出来る事でもありません。
その場合もどこかで必ず聞いているようにして、上手く弾けない部分があれば、その箇所を部分的に繰り返して練習する事を習慣付けてあげなくてはいけません。

この2つが出来てくれば後は必然的に弾けるようになってきます。というよりもこれらがきちんとできるようになるという時期は、それだけ年齢も高くなってきますから自分の意志で色々とするようになってくるわけです。

でも多くの方がこの段階に至る前に子供から手を引いてしまいます。
なぜでしょう?
その理由として反抗・反発。そして1番多くいわれる理由が自分から練習をしないという事。自分から弾かないから好きではないと。

自分から練習をしないと嘆くお母様たちに私は問いたい。ご自分達が子供の頃はどうだったのですかと。自分から進んで練習しましたか?ピアノでないにしても…例えば勉強にしても自分から好き好んでやっていましたか?

勉強は義務だから違うと仰るかもしれません。しかしいやな事は同じだと思います。
ただ「練習しなさい」と声をかけるだけではダメなのです。声をかけるだけでご自分が他に楽しい事や好きな事をしていてはいけないのです。家事の時間にかかるのであれば、それ以外の時間に練習するよう子供に習慣をする事が重要なのです。

反発・反抗…これはどんなお子さんでも、ピアノの事だけでなくありえます。何故反抗するのかは色々な理由がありえます。自分の欠点を言われたくないから。遊びたいから。練習が面倒だから。
自分の欠点を言われたくない…これは大人でもよくある事ですよね自分の欠点には目をつぶりたいものです。でもそれが良くない事はお母様ご自身が1番よくご存知ではないでしょうか?
練習が面倒…これは先にも述べましたとおり当たり前の事です。
遊びたい…これも普通の子供の考えです。つまり両方ともごく当たり前の子供の考えなのです。

ではどう対処すべきか。
まず欠点を言われたくないという事については、誰でもそうなのだからと、お母さんもそうだったのだと(そうでない方もいらっしゃるとは思いますが)話をして、言われた事を素直に治した方が結局近道になるのだと教える事だと思っています。アドバイスというものはそういうもですよと。根気よく伝えていけば分ってくれます。
また時々「だったらお母さん弾いてみてよ」と口答えする生徒さんもいます。その場合は「あなたは先生から習っているのだから弾けて当たり前ですよ。お母さんは習っていないのだけど先生のお話を聞いてちゃんと分っています。悔しかったらその通り弾いてみなさい」と言ってみる良いかもです。実際私の目の前でこのような口答えをするという話を聞き、今のように話したら何も言わなくなったそうです。

次に最初の2つに関しては小学校までにきちんと習慣づけをする事です。何時になったらピアノの前に座る。幼稚園のうちにこの習慣をつけてしまえば、面白いことに小学校に上がっても練習をしないという事はほとんどありません。自分から座る事を忘れても、一言おっしゃれば嫌がらずに座ります。習慣というものは本当に不思議なものなんです。

私も幼稚園生の生徒さんとお母様の目の前でよく約束をします。
1日10分でよいから必ずピアノ前に座りましょう。それも必ず時間を決めて座りましょうと。
そしてお母様にもきちんと時間を決めて声をかけて座らせるように話します。
これをきちんと実行された場合…私のところの生徒さんはほぼ全員実行する、あるいはされてきましたので…小学生になっても練習をしませんと言う生徒さんは1人としていません。
もちろん時間はそれぞれですけれど、座らないと言う生徒さんはいません。そしてそれができれば例え進路が遅くとも、確実に弾けるようになってきます。

むしろ他の教室から私のところにいらした生徒さんには、小学生以上の場合は習慣づけが出来ていない場合が多いため、どうしても毎日座らないという場合がものすごく多いです。結局習慣づけが間に合わないという事なのでしょうか。そうなりますと最終的には付いてこれなくなり…特に多くの宿題を出しているわけではないのですが、発表会でどうしてもレベルの差が出てきてしまいますので…退室してしまいます。

練習する習慣、毎日ピアノの前に座る習慣、きちんとした読譜や考えた練習をする習慣…これらの習慣付けがまず1つ目の習わせる側の義務になります。

長くなりましたので続きはまた次回という事で。

☆コンサート情報

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コンサートのお知らせ 藤原浜雄ヴァイオリン・リサイタル 2015



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この記事へのコメント

hypo
2008年02月03日 19:47
はじめまして。最近の学生を見ていると「自分の欠点を言われたくない」と思える学生はまだ救いようがあるように思えてきます。というのも「他人から言われたこと」が「自分の欠点」であるという認識ができる学生がことごとく少数であるからです。私は大学生に物理学を教えていますが、最近の学生の多くは演習書をただひたすら解きあさり「マルマルマルバツ・・よしっ!一問間違いだ!」という風にしか勉強することができないようです。前文での学生は4問中1問しか学ぶことができなかったといえます。よって時間の無駄です。私は学生へ常に「解けた問いの数だけ時間を無駄にしたと思いなさい」と伝えます。「逆に一問も解けなければそれほどすばらしいことは無い」とも付け加えます。一問も解けなかった彼はたくさん学べるのですから。音楽にも同じようなことが言えると思えます。自分の欠点が分かっているのならばそれを探求し学ぶことがどれほどすばらしく幸せな事であるかを学生に伝えてみるのはしばしば有効であると思えます。「自分の欠点は決して恥じるべきことではない。その欠点に盲目になることが恥じるべきことである」と。


Yuko
2008年02月04日 01:01
hypoさん

大変貴重なコメントをありがとうございました。
物を考えない・学ぼうとしないという姿勢はどんどん低年齢化をしているように思えます。私の場合ほとんどが中学生以下の子供なのですが、その年齢でさえ考えるのが面倒くさい、コツコツ学ぶのがイヤという子供が多くなっています。なのでご指摘の通り自分の欠点を指摘され、それを嫌がるという事はある意味救いがあるのだと思います。
私も常々子供達に失敗するという事は悪い事ではないと言っています。それは偏に子供を通して親御さんに言いたい事なのです。
最近の子供達は親のプレッシャーで潰されかかっています。その多くは間違えたら怒られるという概念の塊なのです。しかし悲しいかなこの言葉が通じず、1つ1つの間違いをことごとく指摘し、その結果その言葉さえ子供の方が聞きたくなくなり反抗するという悪循環が起こっているようです。
結果より過程、成功より失敗、失敗は成功の素。これをきちんと親の方が理解して欲しいですが…。
ここまま
2012年05月27日 17:39
身の引き締まる思いで拝読させていただきました。
とても素晴らしい先生に出会え、あとは家庭での親の働きかけだと、拝読させていただき 気持ちを引き締めました。息子の先生は先生にお考えがちかしく、尊敬の念をさらに強くいたしました。特に音楽的に光るものがあるわけではない息子ですが、実家と自宅で週半々の生活になるのでどちらでも練習できる様にと、中古のピアノを購入しました(二台め)。自宅(集合住宅地)のほうは、サイレントで練習するより生音のほうが良いとのご助言で、防音室までは手が出ませんでしたが、何重にも防音装置(パネルやマット)をつけました。飛び切り光るものもない子供にそこまで投資しても…と言われた事もありましたが、先生の「経済的なこともありますが…できれば...。」というお言葉に従い、環境は整えてきました。親が毎回練習に付き添い、家庭での練習時間=親がピアノに費やす時間 と言うのに、さすがにぐったりぎみでした。なんだか、息子の先生の真意をそのまま優しい言葉で詳しく伝えなおして下さっている様な、暖かい気持ちになれました。そうです!息子との練習...嫌ではなかったのです。ああでもない。こうでもない。といいながら...、宿題の曲はそっちのけで 「作曲しての...。」と譜面おおこし遊びに夢中になったり...。それは音楽を通して息子と楽しい時間を共有しているのだ。と捕らえなければと。(仕事に追われながら練習を見ているのに、ふらふらとミミコピ遊びを始めたりされると、イライラしてしまい怒鳴りつけたりもしていました。)生活に終われる中、イラッとしてしまいそうなときは、また先生のブログに立ち寄らせて頂きます。
ありがとうございました。
Yuko
2012年05月27日 23:08
ここまま様

コメントの方ありがとうございました。
現代はお母さま方が大変忙しい時代です。このブログを書いてから数年経ちますが、なかなか理解をしていただけず、音楽の楽しさ・素晴らしさ、ピアノの楽しさ・素晴らしさを知らずにやめてしまう場合が多くなってきています。そういう時は自分の無力さに腹が立ちます。
子供のころの光って意外と見えない事があります。それは確かにコロナのような圧倒的に強い光を子供の頃から放っている場合もあります。しかしろうそくのような灯火、しかし確実に光を放っているという場合もあるのです。
そして強い光はすぐに消えてしまいますが、ろうそくの灯火は静かにしかし確実に暖かく周りを照らし続けるのです。
それは音楽本来が持っているもの、圧倒的な力で人を支配するのではなく、その暖かさで人を包み込む力と同じではないかなと感じます。そしてそれは演奏者個々の音によって現れてきます。
文章を拝見しておりますと、ご子息はとても音楽がお好きなようですね。そしてきっと音に現れているのではないでしょうか。ですので先生もできれば環境をとおっしゃられたのかもしれません。
専門家になるだけが音楽と一生関わる道ではありません。作曲・歌・楽器etc。色々な形で関われるのが音楽の素晴らしさであり、年齢も関係なくいつでも楽しめるのが音楽だと思っています。
これから先まだ色々な事が出てくると思います。しかしここまま様のコメントを読ませていただき、大丈夫と思いました。どうぞこれからも暖かく見守って、時には一緒に楽しみ、時には道を修正してあげたりと、サポートをして差し上げればと思います。
ショコラ
2015年12月17日 15:22
これを見てから、ピアノが上達しました。
Yuko
2015年12月19日 03:41
ショコラ様

お役にたてて良かったです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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